2008-11-16から1日間の記事一覧

『増補 書を読んで羊を失う』鶴ヶ谷真一(平凡社ライブラリー)★★★★☆

博覧強記をペダントリーにして読者を翻弄圧倒するようなエッセイもあれば、こういう行き方もあるのだな、と目から鱗。 ものすごい情報量が、ごく当たり前の身辺雑記エッセイのような筆さばきで書かれているのだからびっくりである。エッセイスト・クラブ賞受…

『国語辞典の名語釈』武藤康史(ちくま学芸文庫)

文庫化再刊のようです。 『文学鶴亀』でも辞書キチぶりを披露していた著者ですが、それだけで一冊つくってしまうところがすごい。しかもです。辞書を肴にしたエッセイというのならまだしもよくありそうですが、これはほんとうにただただ辞書を味わい尽くすだ…

『チェーホフ・ユモレスカ 傑作短編集1』アントン・チェーホフ/松下裕訳(新潮文庫)★★★☆☆

まあ玉石混淆ではあります。いきなり冒頭の「パパ」のラストで、言わずもがなのことを説明的に言っちゃってて、あらあらと思ってしまいましたが、オチのある話だと思って読むと説明的だったりベタだったりとあまり期待しない方がいい。といって、では「ユー…


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