作家・上橋菜穂子が誕生するまでの、幼いころの思い出から研究者としての経験を経てデビューするまでを綴った、エッセイ風インタビュー集。 わたしが期待したような、書物にまつわる記述は意外と少なく、文字通り生い立ちの記録といった内容でした。作家の伝…
桜庭一樹読書日記その3。 ジョン・サザーランドの「謎」シリーズ(pp.12~17)は、古典のペーパーバック用の気軽な解説を集めたものだったんですね。 近藤史恵は好きな作家なのだけれど、時代小説『にわか大根』はいまいちでした。が、12ページのK島氏によ…
去る三月に亡くなった久世光彦氏の書評集。第一部がいきなり《名文句を読む》である。久世氏の名文と名文句で綴られる、名文句についての書評。こんなぜいたくな話はないんではないでしょうか。当然のごとく、引かれる名文句は、久世氏の文章に負けぬ強者た…
カンブリア紀の大爆発はなぜ起きたのか? この生命進化史の謎に迫るのが本書である。原題『In the Blink of an Eye』Andrew Parker,2003年。読みやすい科学読み物。ノンフィク系って文芸にくらべるとまだまだ訳文が硬いイメージがあったのだけれど、本書は…
「金嬉老元服役囚 女性を脅し逮捕」(北海道新聞 2000年9月4日) 「金嬉老が身元引受人僧侶と『絶縁』していた!」(週刊文春 2000年1月20日新春特別号) 本書を読んで感銘を受けたわたしにとって、この二つのニュースは正直に言ってショックだった。しかし…
探偵小説についての評論ほど面白いものはない!と言ってしまう。なにしろ30章全編が名探偵の推理によるクライマックスなのだ。こんなことを言うと、探偵小説内における「探偵の論理」と「現実の論理」を一緒にしてもらっちゃ困ると怒られるかもしれないけれ…
これは面白い。類書がないだけに、今でもこのジャンルの通史かつ入門書として高い価値を有しています。あまりに本格ミステリ寄りの著者の体質が気になりはするけれど。 でもフランスにはもともと本格ミステリなんて少ないから、紹介しているのはミステリ作家…
鴻巣氏の翻訳がらみのエッセイ集。ということで読んでみたのですが、翻訳「小説」(史)についての話と「翻訳」そのものについての話が半々といったところです。 「翻訳」そのものについてもっと筆を割いてほしかったなァ。新書という性質上やむを得ないのだ…
鴻巣氏の翻訳がらみのエッセイ集。ということで読んでみたのですが、翻訳「小説」(史)についての話と「翻訳」そのものについての話が半々といったところです。 「翻訳」そのものについてもっと筆を割いてほしかったなァ。新書という性質上やむを得ないのだ…