『などらきの首』澤村伊智(角川文庫)★★★☆☆

『などらきの首』澤村伊智(角川文庫) 比嘉姉妹シリーズ第4作にして初の短篇集。初版(?)のカバーはホラー文庫特有の趣味の悪いイラストではなく、『ぼぎわんが、来る』映画化に伴う文字だけ仕様のものです。 「ゴカイノカイ」(2018)★★★☆☆ ――五十平米…

『新編 怪奇幻想の文学1 怪物』紀田順一郎・荒俣宏監修/牧原勝志編(新紀元社)★★★☆☆

『新編 怪奇幻想の文学1 怪物』紀田順一郎・荒俣宏監修/牧原勝志編(新紀元社) むかし新人物往来社から出ていた『怪奇幻想の文学』全7巻の企画を踏襲し、新たに編み直したもの。すべて新訳・改訳。 「変化」メアリ・シェリー/和爾桃子訳(Transformatio…

『《ドラキュラ紀元》 われはドラキュラ――ジョニー・アルカード(下)』キム・ニューマン/鍛治靖子(アトリエサード)★★★☆☆

『《ドラキュラ紀元》 われはドラキュラ――ジョニー・アルカード(下)』キム・ニューマン/鍛治靖子(アトリエサード) 『Anno Dracula: Johnny Alucard』Kim Newman,2013年。 後半に入ってだんだんと盛り上がってはきましたが、長篇三部作と比べると、やは…

『《ドラキュラ紀元》 われはドラキュラ――ジョニー・アルカード(上)』キム・ニューマン/鍛治靖子(アトリエサード)★★☆☆☆

『《ドラキュラ紀元》 われはドラキュラ――ジョニー・アルカード(上)』キム・ニューマン/鍛治靖子(アトリエサード) 『Anno Dracula: Johnny Alucard』Kim Newman,2013年。 創元版では刊行されていなかった第四作は、ドラキュラ紀元シリーズ初の(連作)…

『シャドウランド(上・下)』ピーター・ストラウブ/大瀧啓裕訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『シャドウランド(上・下)』ピーター・ストラウブ/大瀧啓裕訳(創元推理文庫) 『Shadowland』Peter Straub,1980年。 語り手の「ぼく」が二十年以上前の高等部時代の友人たちのことを本にした、という体裁の小説です。 カースン学院は二流であることを隠…

『世界が終わるわけではなく』ケイト・アトキンソン/青木純子訳(東京創元社 海外文学セレクション)★☆☆☆☆

『世界が終わるわけではなく』ケイト・アトキンソン/青木純子訳(東京創元社 海外文学セレクション) 『Not the End of the World』Kate Atkinson,2002年。 ゆるく繫がる12のシュールで奇妙な短篇が収められています。 「母さんの誕生日プレゼントを買いた…

『ゴースト・ストーリー(上・下)』ピーター・ストラウブ/若島正訳(ハヤカワ文庫NV)★★☆☆☆

『ゴースト・ストーリー(上・下)』ピーター・ストラウブ/若島正訳(ハヤカワ文庫NV) 『Ghost Story』Peter Straub,1979年。 作家のドン・ワンダレーがアンジー・モールと自称する少女を誘拐して移動するロード・ムービーのような序章から本書はスター…

『吸血鬼カーミラ』レ・ファニュ/平井呈一訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『吸血鬼カーミラ』レ・ファニュ/平井呈一訳(創元推理文庫) 『Carmilla and Other Stories』Joseph Sheridan Le Fanu,1839。 「白い手の怪――「墓畔の家」より――」(Narrative of the Ghost of a Hand,1861)★★★☆☆ ――プロッサー夫妻が屋敷から引き揚げて…

『幻想と怪奇』17【幽霊のいる暮らし】(新紀元社)

『幻想と怪奇』17【幽霊のいる暮らし】(新紀元社)「現代世界幻想文学選・中華人民共和国」 「恋猫記」蔡駿/舩山むつみ訳(恋猫记,蔡骏,2003?)★★☆☆☆ ――屋根の上に猫が一匹いる。雪のように真っ白な猫で、尻尾の先にだけ、赤い点がいくつかある。ぼくの…

『高原英理恐怖譚集成』高原英理(国書刊行会)★★☆☆☆

『高原英理恐怖譚集成』高原英理(国書刊行会) 著者には幻想小説を期待していましたが、ホラーばかりで好みに合いませんでした。 「Ⅰ」「町の底」(2009)★★☆☆☆ ――近辺を歩いていると、後ろから顔の半分ない子供がついてくる、という都市伝説があると最近知…

『骸骨 ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚』ジェローム・K・ジェローム/中野善夫訳(国書刊行会)★★★☆☆

『骸骨 ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚』ジェローム・K・ジェローム/中野善夫訳(国書刊行会)「食後の夜話」(Told After Supper,Jerome Klapka Jerome,1891)★★★☆☆ ――クリスマス・イヴのことだった。僕たちは夕食を終え、煙草を吸いながら話をし…

『ヒッチコック劇場 第二集1』(ユニバーサル)★★★☆☆

『ヒッチコック劇場 第二集1』(ユニバーサル)「兇器」(Lamb to the Slaughter,1958)★★★☆☆ ――メアリーは献身的な妻だった。しかしある日、“愛人がいるので別れたい”と夫から突然告げられ…カッとなったメアリーは衝動的に夫を殺してしまう。そして、夫が…

「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明(光文社文庫)

「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明(光文社文庫) 同名短篇集より、世評の高い表題作だけ読みました。「独白するユニバーサル横メルカトル」(2005)★★★☆☆ ――私は国土地理院発行のユニバーサル横メルカトル図法による地形図延べ百九十七枚によっ…

『幻想と怪奇』16【ホラー×ミステリ ホームズのライヴァルたち・怪奇篇】

『幻想と怪奇』16【ホラー×ミステリ ホームズのライヴァルたち・怪奇篇】「現代世界幻想文学選・シリア」 「ムスタファー・タージュッディーン・ムーサー超短編選」森晋太郎 選・訳(مصطفى تاج الدين موسى(Muṣṭafā Tāji al-Dīn al-Mūsā))★★★☆☆ 『虐殺の花束…

『おはしさま 連鎖する怪談』三津田信三・薛西斯・夜透紫・瀟湘神・陳浩基/玉田誠訳(光文社)☆☆☆☆☆

『おはしさま 連鎖する怪談』三津田信三・薛西斯・夜透紫・瀟湘神・陳浩基/玉田誠訳(光文社)『筷:怪談競演奇物語』2020年。 台湾の出版社の企画による、台湾・香港・日本の作家による「箸」がテーマのホラーミステリ競作集――のはずなのですが、あとがき…

『猫のまぼろし、猫のまどわし』東雅夫編(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『猫のまぼろし、猫のまどわし』東雅夫編(創元推理文庫) 怪奇・幻想・ファンタジーのなかから猫が題材のものを選んだアンソロジー。似たような作品が集まるのは避けられないし、関連作品として類話や元ネタを並べてある場合もありますが、基本的に「化ける…

『平成怪奇小説傑作集3』東雅夫編(創元推理文庫)★★★☆☆

『平成怪奇小説傑作集3』東雅夫編(創元推理文庫)「成人」京極夏彦(2008)★★★★☆ ――「『人形のどうぐ』 四年三組□□。ひなまつりです。ぼくは五人ばやしが、すきです。」続いて高校生による文を掲げる。「友達のAの家に行ったのは一度きりである。隣の部屋…

『ひとんち 澤村伊智短篇集』澤村伊智(光文社)★★★★☆

『ひとんち 澤村伊智短篇集』澤村伊智(光文社) 白黒のアパート上でカラーに浮かび上がる窓。横向きや逆さまや裏返しになっている扉や目次の文字。細くうねうねとした気持ちの悪い本文の活字。これでもかというほどアンバランスで不安にさせる造りの本でし…

『幻想と怪奇』15【霊魂の不滅 心霊小説傑作選】

『幻想と怪奇』15【霊魂の不滅 心霊小説傑作選】「欧米心霊学略年譜」「モレル夫人の最後の降霊会」エドガー・ジェプスン/髙橋まり子訳(Mrs. Morrel's Last Seance,Edgar Jepson,1912)★★★☆☆ ――二年前の冬、わたしはモレル夫人の降霊会にすべて出席した…

『炎の眠り』ジョナサン・キャロル/浅羽莢子訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『炎の眠り』ジョナサン・キャロル/浅羽莢子訳(創元推理文庫) 『Sleeping In Flame』Jonathan Carroll,1988年。 一応のところは『月の骨』から続くシリーズ2作目らしいのですが、ウェーバー・グレストンやカレン・ジェイムズと夢の国ロンデュアに言及さ…

『平成怪奇小説傑作集2』東雅夫編(創元推理文庫)★★☆☆☆

『平成怪奇小説傑作集2』東雅夫編(創元推理文庫) 後半は『幽』やてのひら怪談作家が占めます。ということは怪談実話ブームもこの頃だったでしょうか。 「匂いの収集」小川洋子(1998)★★★★☆ ――僕は彼女に髪をといてもらうのが好きだ。彼女が触れたとたん…

『いただきます。ごちそうさま。 怪談えほん13』あさのあつこ作/加藤休ミ絵/東雅夫編(岩崎書店)、『おめん 怪談絵本14』夢枕獏作/辻川奈美絵/東雅夫編(岩崎書店)

『いただきます。ごちそうさま。 怪談えほん13』あさのあつこ作/加藤休ミ絵/東雅夫編(岩崎書店)、『おめん 怪談絵本14』夢枕獏作/辻川奈美絵/東雅夫編(岩崎書店) 怪談えほん第三期の第二回配本と第三回配本です。第二期の高橋克彦はいつの間にか中止…

『ドラキュラ紀元一九五九 ドラキュラのチャチャチャ』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(アトリエサード)★★★★☆

『ドラキュラ紀元一九五九 ドラキュラのチャチャチャ』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(アトリエサード) 『Anno Dracula 1959: Dracula Cha Cha Cha』Kim Newman,1998, 2018年。 創元推理文庫から出ていた『ドラキュラ崩御』に、中篇「アクエリアス」を併録…

『爆弾魔 続・新アラビア夜話』R・L・スティーヴンソン&ファニー・スティーヴンソン/南條竹則訳(国書刊行会)★★★☆☆

『爆弾魔 続・新アラビア夜話』R・L・スティーヴンソン&ファニー・スティーヴンソン/南條竹則訳(国書刊行会) 『More New Arabian Nights: The Dynamiter』Robert Louis Stevenson and Fanny van de Grift Stevenson,1885年。 『新アラビア夜話』第一…

『探偵ジェスパーソン&レーン 夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件(上・下)』リサ・タトル/金井真弓訳(新紀元社)★★★★☆

『探偵ジェスパーソン&レーン 夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件(上・下)』リサ・タトル/金井真弓訳(新紀元社) 『The Curious Affair of the Somnambulist and the Psychic Thief』Lisa Tuttle,2016年。 『幻想と怪奇1』(→記事を見る)に訳載され…

『幻想と怪奇』14【ロンドン怪奇小説傑作選】

『幻想と怪奇』14【ロンドン怪奇小説傑作選】「ロンドン怪奇小説地図」「アッシュ氏の画室」H・R・ウェイクフィールド/渦巻栗訳(Mr. Ash's Studio,H. R. Wakefield,1932)★★★☆☆ ――道路工事が終わるまで、別の仕事場を借りなければ長篇小説を完成させら…

『ヤンのいた島』沢村凜(角川文庫)★★★☆☆

『ヤンのいた島』沢村凜(角川文庫) 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。 大西洋の南回帰線近く、ジグソーパズルの一片のような形をした通称「ジグソー島」にある小国イシャナイ。その離島である菱島にようやく調査団の入国が認められた。一介の大学…

『ドラキュラ紀元一九一八 鮮血の撃墜王』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(新紀元社)

『ドラキュラ紀元一九一八 鮮血の撃墜王』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(新紀元社) 『Anno Dracula: The Bloody Red Baron』Kim Newman,1995/2012年。 増補完全版第二弾。『ドラキュラ戦記』からは割愛されていた一章が追加されたほか、書き下ろし中篇や…

『ドラキュラ紀元一八八八』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(アトリエサード)

『ドラキュラ紀元一八八八』キム・ニューマン/鍛冶靖子訳(アトリエサード) 『Anno Dracula』Kim Newman,1992/2011年。 創元推理文庫から出ていた『ドラキュラ紀元』の増補完全版。 『ドラキュラ紀元一八八八』(Anno Dracula,1992) 改訳はされているも…

『七夜物語(上・中・下)』川上弘美(朝日文庫)★★☆☆☆

『七夜物語(上・中・下)』川上弘美(朝日文庫) 川上弘美による児童文学。 クラスメイトとはうまくつきあっているけれど、本が好きなことは隠している小学四年生の鳴海さよ。エキセントリックで嫌いなものが多い母親にも図書館通いを隠しています。離婚し…


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