『ダ・ヴィンチ』2006年7月号 ★★★★★

●「気になるあの人の気になる一冊」は、すっかり本格派女優の工藤夕貴『モモ』。小栗旬の一冊は『広辞苑』、って……。天野月子

●特集は『夢見たマンガの道具が現実に!?』
 2003年アトム誕生は記憶に新しいけれど、ほかにもいろいろ誕生している(いたはず)なんですね。パトレイバーが1999年か。来年以降に誕生する(予定の)ものでも、実現しそうなものがないのがちょっと悲しい。2015年エヴァンゲリオン、2019年ブレードランナー、2029年ターミネーター……。2050年レッド・プラネットはその気になれば行けるだろうか。21XX年ガンダム、2112年ドラえもん、2221年銀河鉄道999……は百年後の技術に期待したい。そう思うと悲しいな。アトムのように、やっぱり無理だったか、てな気持でドラえもんの誕生日を迎えることはわたしにはできないのだな。

 ドラえもんは無理でもタケコプターはもう目の前。さすがにあんなコンパクトにはならないけど、一人乗りヘリコプターは実用段階なのだそうです。ただ現在は役所の認可が隆りないから自由に飛べないのだとか。夢は明るいのに未来は暗い。

 さすがにドラえもんは無理だろうと思うんだけど、挑戦する人はいるところにはいるのだ。人間そっくりのアンドロイドリプリーQ2」は何だかすごいぞ。AIBOとかASIMOだけじゃないんだ。これは頑張れば何年か後には簡単な受付くらいは出来てしまうんじゃないのか!? 川上弘美みたいな顔してる。介護補助ロボットの名前が「HAL」なのは何度見ても微笑ましい。

 サイボーグ技術はここまで進んでいたのか( ̄□ ̄;)。考えるだけで動かすことのできる「人工の腕」だなんて、SFの世界だよ。それが実現化されてるのか……。すごいな。パワードスーツと組み合わせればガンダム(というよりはエヴァンゲリオンに近いのかな)みたいなのも可能なのか……。
 

『実録ネコ裁判 うちのネコが訴えられました!?』は、人気ブログの単行本化だそうです。ブログで読めるんなら、と思い、著者と出版社には悪いがブログで読んだ。川畑さんのトンチキぶりもすごいけれど、山田さんのブログに対する入れ込みようも相当なもので、なんだかテレビ慣れした素人みたいで、わたしにとってはどっちも未知の世界の住人だった。でもまあこんな〈川畑さん〉は近所に必ず一人はいますよ。さすがに訴えるまではしないけどさ。消費税内税表示のときにもいたなあそういうヤツが。内税にしてない店があったら通報していいんだよね、とかいうお客さん……。訴えない〈川畑さん〉なら近所の風物詩で済むんだけど、親までおんなじレベルだとさすがに気持が悪いなぁ。原告の立証責任、とかある程度の裁判の原則は、『12人の優しい日本人』やらなんやらの裁判映画でお馴染みだけど、裁判そのものの様子と実務の様子はフムフムなことばかりでした。裁判にかかった費用は自分で取り立てるのかよ……。
 

大西巨人神聖喜劇が漫画化。

●「ヒットの予感」は、小澤征良『蒼いみち』、大槻ケンヂ『ロコ! 思うままに』、小川洋子『ミーナの行進』、豊島ミホ『夜の朝顔』、鈴木おさむブスの瞳に恋してる2』、ルーカ・カイオーリ『ロナウジーニョ』。

「百年の誤読 舶来編」第13回
 1950年代後半です。ビュトール『時間割』、ケルアック『路上』、シリトー『長距離走者の孤独』、グラス『ブリキの太鼓』、アップダイク『走れウサギ』

●映画情報欄には、テリー・ギリアムのインタビュー。新作『ローズ・イン・タイランドが公開。テリー・ギリアムってアメリカ人だったんだ。モンティ・パイソンなのに。知らなかった。
 

●「ミステリー・ダ・ヴィンチ」はミステリーランド特集。乙一インタビューも載ってる。第一回配本の島田荘司作品を読んで、「ここまではやっていいのかな」と思ったのだそうで、〈ミステリーランド〉に残酷路線が多いのは、もしやみんな島荘を基準にしたのか。けっこう裏話的なことも語ってます。
 

●「怪談之怪」55回は、京極夏彦×高橋葉介対談。SFから『ウルトラQ』から筒井康隆から水木しげるから、好きなものについて語っているという感じの対談なので読んでいて楽しい。
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