吉川うたた『故郷は緑』は、説明的な台詞ばかりでとんでもなく読みづらい。説明するならするで100%説明してくれればまだしもなのだが、説明的なくせに思わせぶりに中途半端だから苛々する。
波津彬子「雪訪い」幻想綺帖4
泉鏡花「第二菎蒻本」の漫画化。漫画化されても、すっと消えるというかふっと落ちるようなラストに鏡花らしさがちゃんと残っています。
三原ミツカズ『毒姫』に毒姫研究家登場。
諸星大二郎『栞と紙魚子』「天気雨(中編)」は前号の続き。お稲荷さんとクダギツネ。
未知庵「原さん」 いやそもそもこのサラリーマンが食べているものが(^^;
榎本ナリコ「時間の歩き方」
おや。完結じゃなかったんだ。時間を止められてしまった二人のその後。つまりはどうにもできない、って設定なんだから、今後は絶対に「元に戻れました」みたいな展開だけはやめて欲しいな。
今市子『百鬼夜行抄』「雨戸仙人」
絹さんの話。そもそもお母さんにスポットが当たる時点で普通の漫画ではあり得ません。もうちょっと心労の様子なんかを描いてくれた方が説得力があったと思うんだけど。
TONO『コーラル』には兵隊ボイルが登場。額縁の外のピントの外し方が上手い。
JET『八点鐘』「塔のてっぺんで」
アルセーヌ・ルパン『八点鐘』の漫画化。けっこう面白かったんだけど、オルタンスのビジュアルが下品すぎるだろ(−−; でも原作の『八点鐘』って面白いのはこの一作くらいなんだよな。。。。
オオノサトシ「月刊Barracuda」第2回目。セレブの4C。
魚住かおる『悪霊退散大作戦』「ねずみ男とねこ耳野郎」
武衛がちょろっとしか出てこないのに存在感があったなあ(^^;。なぜか息子のオタクを直してほしいという依頼を受けたみちるの話。
荻野順子「世にも不思議な喫茶店」と日野小豆「日暮堂書店」
どちらも独特のセンスが忘れがたい。
オガツカヅオ「イカしたマスターのいる店」は、著者の笑いのセンスが垣間見られる作品。前に三姉妹の話を読んだときはたいした印象が残らなかったんだけど、面白い。
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『ネムキ』2008年3月号
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