『La Belle Hortense』Jacques Roubaud,1985年。
第一章からおバカ節満開。彼はエロ親父である――ひとことで言えばそれだけにすぎないようなことを、えんえん遠回りしつつ理屈っぽく理屈をこねくり回して一章ついやして説明しています。
ばかです(^^)。そしてこういうタイプのバカって嫌いじゃありません。いや大好きです。
ただ、テクスト性に関するギャグについては、幾多のポストモダニストたちのせいで本当に飽き飽きうんざりしていて受けつけませんでした。
この点をのぞけば、おバカなのが好きな人なら存分に楽しめると思います。ウリポの中心メンバーだというので実験的で難解なのを覚悟していましたが、実験性よりもおバカ度の方が勝ってました。
金物屋が次々に襲われ、深夜0時直前、大音響とともに鍋が散乱する。平和な街に続く“金物屋の恐怖”事件。犯人は? 動機は? 哲学専攻の美しい女子大生オルタンス、事件担当のブロニャール警部、そして高貴な血を引く猫のアレクサンドル・ウラディミロヴィッチ……。何がどうなる? 文学実験集団ウリポの一員である詩人で数学者の著者が贈る珍妙な味のミステリ……なのか。(カバー裏あらすじより)
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