『ネムキ』の広告に掲載されていたこともあって、幻想&ホラー系の「震撼」かと思っていたのですが、編集後記によると「新感(覚・動)」だそうです。恋愛ものが多くて、OL向け漫画なのかな……? 季刊か不定期のムックっぽい。
「バスタブで背泳ぎ」川原由美子 ★★★★★
――じいちゃんの船室《キャビン》は、ひっそりこっそりやっている酒場。しばらくはあたしが留守番。お客の女の子が届けてくれたじいちゃんの落とし物は――「きっと夢の鍵です。あたしは夢を見ません。でもこないだ食べた夢のお話しますね」
タイトル通りでびっくり。結晶のよう立ち並ぶ建築物、船室《キャビン》のたたずまい、沈む夢を見る島と空を夢見る人々のバランスで浮かぶ島……ひたすらかっこよくてほれぼれします。
「幸せのマチ」岩岡ヒサエ ★★☆☆☆
――この雑居ビルには、ふたつの店が入っています。2階は雑貨店。店長は男性です。1階は喫茶店。女性の店長です。
この人の描く漫画は、絵といいストーリーといい、ハートウォーミングの押し売りみたいであまり好きではありません。
「よふさぎさま」オガツカヅオ ★★★★★
――小学6年。以来ほぼ毎夜走っている。そして、ある秋の夜、はじめて「それ」と出会った。「ああ、それね。よふさぎさまっていうのよ」と、亜矢子は言った。夜走る女の行方を阻むもの。「女の運命が大きく変わる予兆を、いろんな姿でおしえてくれるの」
ちらっと出てくる「よふさぎさま」の説明の「走る女」が座敷童みたいでお気に入り。この人のセンスはやっぱりすごいなあ。何なんだこの前向きな前向きでないラストは。
「すまちゃんと兵悟くん」荻野順子
「ぼたん」伊野りゑ ★★★☆☆
――貴重なボタンの涙を流す少女。街から来た青年に恋をしたが……。
昔話の絵本のじじばばみたいなキャラは面白いのですが。
「世界の終わりの、そのあとで」イシデ電 ★★★★☆
――あれから8年。ひっきりなしに愛してるぜ絵子! けど、頭いいのに鼻にかけたりしないし、おとなしいけど暗くないし、愚痴も陰口も言わないし、絶妙な貧乳だし、わがままじゃないし……そんな人間いるか?
こういう青臭いタイトルは苦手です。で、内容もところどころちょっと恥ずかしいです。が、SFっぽい設定があるので骨組みはしっかりしてます。
「謎のあの店 もりもり編」松本英子 ★★★★☆
――JR有楽町駅に近いとある一角……スゴイ大行列! 大人気! でも……アレレ……客層が……この立地にしてめったに女子は近寄りません。ハラヘリ殿方御用達。山盛り。
オガツカヅオも飛び入り参加(^_^;。
「わたしは気まぐれサラダ」内田春菊 ★★★★☆
――「また野口さんがうなずきながら弁当食ってる」「はい。おいしいので」「がんばって作ったの?」「いえ、きのうの残りです。いろいろ作ってみることもあるので」「そうか、楽しんでるんだね」と言われたその時きっと……この人を好きになっていたのだと思います。
チャート(^_^;。おんなじ状況になったことがなくともおもわず「わかるわかる」と思ってしまうような恋愛相談漫画。
「Rabby Fight」財賀アカネ ★★★☆☆
――今度こそ当たりを引き当てるため、三人は今日もガチャポンを回す。
ああ駄目だ……わたしはこの手の絵柄を受けつけられませんでした。。。
「耳擦りする女」伊藤潤二 ★★★★★
――誰かから指示を受けないと何もすることができずにパニックに陥ってしまう病気の娘のために、父はつきっきりのアルバイトを雇ったが……。
伊藤潤二ってグロテスクを売りにする漫画家かと思っていたので、これにはかなりびっくりしました。妖怪のような美津の描かれ方がとにかくすごくて、魅入ってしまいました。
「新説・三顧の礼」ソウ ★★☆☆☆
――優秀な軍師を欲した劉備は諸葛孔明のもとを三度訪れた。
ネットをネタにするのはギャグとして安易だなァ。。。
「ひよこ」未知庵 ★★★☆☆
――生き物が苦手な少年。それなのに家でひよこを飼うことに……。
予告では作品名は「肉」だったような。。。^^)。これも予告によれば『シンカン2』に今度こそ「肉」が載るらしいのですが、果たして――。さて「ひよこ」ですが、期待していたのだけれど、やはり長篇は向かない作風かな。
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