「不朽のフェーネチカ」「死よ来たれ」、『レディ&オールドマン』5

アフタヌーン』2018年7月号(講談社

「不朽のフェーネチカ」竹良実
 ――マザー・ドロテアは現代の聖母と呼ばれ、列聖は間違いないと言われていた。ジャーナリストのアレハンドロはその聖人ぶりに疑問を抱き、マザーの過去を探る。その結果わかったのはマザーが列聖に異常な執着を持っていることだった。いったいなぜ……アレハンドロはついにマザーの生まれ故郷を探り当て、マザーの過去を知る。

 『辺獄のシュヴェスタ』著者による読み切り作品。山口雅也の某作も連想させる、信仰心によるロジックが印象的です。そして何より、ババアがかっこいい!
 

『フラジャイル』49「デビュー戦(後編)」草水敏/恵三朗
 久々に読んだら面白くなってます。宮崎先生は「わかるわけないだろ」花房先生の気持ちもわかります。
 

『バギーウィップ』14「オレのテニス」大野すぐる
 自信をつけることがアラタにとってプラスになるのかマイナスになるのか。
 

「死よ来たれ」六内円栄(ろくだい・さかえい)
 ――殺し合いを続ける人間に怒った神は、人間を殺す能力を人間から奪った。困ったことがあれば、神秘の術を持った5色の哲学者が助けてくれる。

 四季賞2018春のコンテスト四季賞受賞作。ものすごく読みづらいのが、意図的な語り落としや構成というよりは実力不足に感じられます。
 

『ダレカノセカイ』8「オルビス・テルティウス」
 ――見知らぬ東京で警察に拉致された加茂野と、警察と真っ向から対立する自衛隊。そんななか、アーニャが加茂野を助けに現れた。

 オルビスという名称はボルヘスから採られてたんですね。ラテン語で「第三の世界」の意味でもあります。単なる悪役だと思っていた亀井警視正が、強い信念を持ったかっこいいキャラとして描かれていました。
 

『レディ&オールドマン』5 オノ・ナツメ集英社ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
 ボスに会い、ビートルズを聴き、母を見つけ、そして「50年前行方不明になった私の祖父」と、着々と真実に近づいて来ています。
 

   


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