言わずと知れた話題作。
開き直った設定によるサバイバル・アクションは言うことなし。山本太郎やビートたけしといった芸達者が作品を引き締めています。
それだけに安っぽいドラマは余計。アクション映画はアクションだけやっていればいいんです。
ノブがいいやつだった、みたいな作りはシラけるのもいいところです。
最悪なのが、最後に「誰々の夢」で結ぶところ。現代日本映画の汚点です。監督がこういう自己満足をやめないかぎり(そして誰かが止めないかぎり)、永遠に没落は止まらないでしょう。
印象に残ったセリフは二つ。もう帰らないことを伝えて娘に文句を言われたたけし(キタノ)が、「人を嫌いになるのなら、それくらいの覚悟をしとけ」。
光子が殺される時「あたし、ただ奪う側にまわりたかっただけなのに」。