『半身』サラ・ウォーターズ

 表紙の絵画に惹かれて買いました。有名だったんですね。澁澤が愛していたそうです。クリヴェッリ「マグダラのマリア

 肝心の中身はというと、やや少女趣味かつ「霊感体質気味=ヒステリー」の貴婦人という語り手がどうにも馴染めませんでした。

 同じ創元のシャーリー・ジャクスン『たたり』の主人公も「霊感体質気味=ヒステリー」の女性でしたが、あれはかなり感情移入してしまったんだけどなあ。まああれはホラーですが、どちらの作品も「霊感ヒステリー気味」という設定が物語の重要な伏線だし、その主役に読者がのめり込めば込むほど仕掛けが効いてくる、という作品だけに、語り手に馴染めなかったのは残念。

 おかげで見え透いた話に見えてしまった。(暴言)

 シライナも、もう少し神秘的な雰囲気でもよかったと思うんだけどなあ。なんかあまりにも普通の女の子っぽく感じなかったでしょうか?(これも暴言)
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半身honto ・ 


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