「放屁論」風來山人(平賀源内)

 もともと古典は好きなのだけれど、最近は江戸に凝ってます。てなわけで風來先生。これはマジなのか最後まで洒落なのか。終わってみれば社会批判になっちゃうところがすごい。

 「ニンジン飲み込み喉を詰まらす間抜けがいれば、ふぐ鍋食べて長生きをする男もいる。一度で父なし子を孕む女もいれば、毎晩遊女を買って鼻の無事な奴もいる。ひどいもんだけど、あヽ運命かな。

 源内先生曰く、糞は肥料になるけれど、屁はした人がすっきりする以外に何にもならぬ役立たずだそうな。屁っぴり芸のことを「神武以来初めての芸だ」という源内先生の褒め方がサイコー。

 「屁っぴり男の精神」などというと、坂口安吾のエッセイ「ラムネ氏のこと」を思い出してしまった。あれも冒頭では小林秀雄三好達治おちゃめっぷりがサイコーだったが、最終的にはあれよあれよと「ラムネ氏の精神」なる社会批評に変幻している作品でした。(←宮沢章夫もエッセイ『よくわからないねじ』でおんなしようなこと言ってた)
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※参考

白痴・青鬼の褌を洗う女
坂口 安吾〔著〕
講談社 (1989.7)
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