『殺人目撃者』

『殺人目撃者』というタイトルから何を連想しますか? 私はウールリッチみたいなサスペンスを連想しました。

 バーバラ・スタンウィック主演。ビリー・ワイルダー『深夜の告白』にも主演していて監督が大いに褒めてました。ウールリッチ&ワイルダー(勝手な連想ですが)とくればいやがうえにも期待は高まります。

 しょっぱなから殺人シーン。いきなりです。起承転結も何もありません。当然のごとくいきなり殺人を目撃し、いきなり警察に通報します。こんな映画見たことない――よくわからぬなりに興奮しました。

 そして――なんだか間抜けな刑事が登場。やがて目撃者犯人精神科医もそろいもそろって登場人物全員間が抜けていることが判明します。刑事は隣の部屋の死体に気づきません。目撃者は自分は夢を見たと納得しかかります。犯人は策を弄しすぎてバレバレです。

 そして目撃情報を信じなかった刑事は、売れない作家(犯人)の著作が被害者の家に置いてあったというただそれだけの理由で作家が犯人だと確信します。同じ指紋がある確率は何百億だかに一人の割合です。売れない作家の著作を持っている確率もそんなものだと判断したのでしょうか。

 ちっともウールリッチじゃありませんでした。不思議な面白さはあったけど。


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