『Necklace and Calabash』Robert Hans van Gulik,1967年。
いろんなところで狄《ディー》判事シリーズが話題になっていたので買って読んでみた。困ったなあ……。全然おもしろくないや……。なんかもっとこう歴史ミステリみたいのを期待してたんだと思う。あるいは忍法帖みたいなやつ。公案小説ってそれ自体がネタ本みたいなものだからなぁ。もっと重厚な歴史ミステリだったり、もっとぶっとんだ伝奇ミステリだったりすればよかったんだけど。ネロ・ウルフとかペリー・メースンみたいなファミリーものの味なのかもしれない。
難事件を解決し、一息つこうと江城の町へやってきたのは、名探偵として名高いディー判事。だがやはり彼には休息の時はなかった。身分を秘して投宿した旅館に、町にある皇室の離宮から突如お召しがかかったのだ。訝しみながらも参内したディーの前に現われたのは、皇帝の息女であった。皇帝から賜った首飾りが忽然と消え失せた、事が露見する前に極秘裏に探し出してほしい……許可なしには何人も立ち入れない離宮内で、いったい何が起きたのか? 古代中国に材を取り、巧妙なトリックと大胆な推理で世界中に多くのファンを持つ人気シリーズ登場。
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