『エンジェル エンジェル エンジェル』梨木香歩


 『裏庭』を読んで以来その理屈っぽさから梨木作品を敬遠してはおりましたが、気になる作家ではありました。というわけで本書を読んでみれば、これは傑作ではありませんか!

 本書が傑作になった所以はただ一つ。理屈を「説明する」のではなく、「構成として組み立てる」という形をとっているから。

 短篇といってもいいような短さだけど、本質的に短篇作家なのかも。

 はやく『家守綺譚』が読みたい(文庫化待ち遠しい)期待を込めて★★★★★。


 コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……
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エンジェルエンジェルエンジェル
梨木 香歩著
新潮社 (2004.3)
ISBN : 4101253358
価格 : ?380
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