『シティーハンター』第1巻 北条司

 このころはまだハードボイルド色が強かった。平気で人も殺すしね(ホントはそれが本職のはずなんだけど……)。絵柄には合っていたかもしれない。ちょっと骨太な感じで。好みでは10巻代〜20巻代くらいの絵柄が好きなのだけれど、1巻の内容にはこの絵柄がぴったりだと思う。

 ジャンプコミックス版の収録作は「栄光なきテンカウント!」「BMWの恐怖」「闇からの狙撃者!」「恐怖のエンジェルダスト」「素敵な相棒!」の五編。

 わたしは絵柄や内容から、勝手に『シティーハンター』を3期に分けてたりします。骨太絵柄の第一期(一桁台の巻)、ピークの第二期(10巻くらい〜20巻代後半)、リョウと香の関係をどうまとめようか模索している第三期(〜最終巻まで)。

 本巻収録の最初の二編には香も登場しないし、依頼人もシリアスな事情を抱えた人たちなので、芯からハードボイルド。ところが1巻以降の一桁台の巻は、女子高生だのボディーガードだのと、かしましくなって……。そういう人たち相手にシリアスな台詞をしゃべってもちょっとクサくて。骨太の絵柄ではギャグも生きず……。第二期以降ではそこらへんもだんだんと進化してくるのですが。

 そんなわけで、のちの『シティーハンター』とは作品の性格こそ違いますが、ハードボイルドに特化した本巻は、第一期のなかでは白眉だと思います。
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シティーハンター 第1巻
北条 司著
集英社 (1987)
ISBN : 4088523814
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シティーハンター Volume:01
北条 司著
徳間書店 (2004.1)
ISBN : 4197802137
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