『イリアス―トロイアで戦った英雄たちの物語』アレッサンドロ・バリッコ(白水社)

海の上のピアニスト』の原作者として知られる――という前置きも、海外小説ファンには不必要な――傑作『絹』や『シティ』のアレッサンドロ・バリッコの新刊です。

 出版社紹介文によれば、長大で難解な『イリアス』から朗読用の短縮版を作りだそうというのがそもそものきっかけだとか。〈要約版〉ではなく、あくまで原文のことばはそのままだそうである。『イリアス』だとかバリッコだとかを差し引いても面白そうな試み。筒井康隆清水義範だったなら爆笑小説に仕立て上げそうなアイデアだと思う。

 はたしてどんな小説になっているのか、読むのが楽しみである。

イリアス
アレッサンドロ・バリッコ〔著〕 / 草皆 伸子訳
白水社 (2006.1.16)
ISBN : 4560027382
価格 : ¥2,100
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イリアス 上
ホメロス〔著〕 / 松平 千秋訳
岩波書店 (1992.9)
ISBN : 4003210212
価格 : ¥840
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