ある要人のパーティにルパンの予告状が届く。待機していた銭形の前に現れたルパンは、予告状は偽物であり、誰が本当の予告主か確かめに来たのだと告げた。折りしもパーティ会場には武装集団が乱入、要人を暗殺したばかりか、シルバーメタリック仕様のワルサーP38の持ち主が、銭形を撃ち倒した。ルパンの脳裏によみがえる忌まわしき過去……。
amazonのレビューでは評価が高いが、映画レビューサイトでは評価が低い。個人的には面白かったと思う。
なるほどとっつぁんが活躍しないし、ルパンものとしては評価が低いのかもしれないが、話としてはしっかり作り込んであるから、単純に観て面白い。あまりにもいーかげんな他のテレビスペシャルシリーズに比べれば★五つでもいいくらいだ。
そうはいってもエレンの最期とかはいい加減だし、解毒剤は無視されているが。いくらなんでも製作者も忘れるわけはないだろうから、解毒剤のことはわざとほっといたんだろうけれど、真意が不明だ。ゲスト・ヒロイン抜きでルパン・ファミリーだけで面白いものを作ってみてほしいとも思うんだけど、これはもう仕方がないのかな。
ホラの大きさでは『ルパン対複製人間』に負けじ劣らじ。だが面白いのである。盗むものは金塊でじゅうぶん。ヘンに物珍しいお宝なんてどうでもいい。ようはいかに盗むか、いかに裏をかくか。ルパンものの原点ともいうべきアイデアで勝負しているから面白い。敵も味方も(主に敵が、なんだけど)。視聴者もルパンも騙される作品全体を覆う大きな仕掛けに◎。
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翻訳小説サイト ロングマール翻訳書房