『稲生物怪録絵巻集成』(国書刊行会)★☆☆☆☆

 本邦初紹介となる絵巻を含め、絵巻絵入写本・絵本あわせて8本を、オールカラーでこの1冊に完全収録。

 残念だけれど人を選ぶ作品です。正直、『稲生』のどこが面白いのかわかりませんでした。物語もどうってことないし、絵的にも魅力なし。むしろ付録扱いされている(?)絵本の絵の方が面白かった。あとは『稲亭物怪録』の一部の絵。

 内容に関していえば、魔王の頭になるため勇敢な子どもを百人脅そうと思っていたのに、稲生武太夫が勇敢すぎて驚かなかったからまた一からやりなおしだ、残念残念。ライバルの魔王がやってきたらその勇敢さでやっつけれくれや。という話。

 しかしなんでこんなどうってことないような話が人を引きつけるのだろう。「実話」だから? あるいはわたしにとってはどうってことないような部分も「見える」人にとってはやたらリアルなのかもしれない。もしそうだとするならば、この本は見える人にとってはバイブルとなるだろうし、怪談を書こうと思っている作家にとっても非常に参考になることでしょう。

 残念ではありますが、わたし自身は怪談を読むなら岩波文庫『江戸怪談集』のようなもの、絵を見るなら石燕『百鬼夜行』のようなものの方が楽しめました。
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