『百鬼夜行抄』「見返りの桜」今市子★★★☆☆
晶ちゃんがお見合いする話+いろいろ。ちょっと詰め込みすぎというか、展開がころころ変わって書き込みが少ない。あらすじを書いただけのシノプシスみたいな感じ。
『悪霊退散大作戦』「戦隊ヒーロー大作戦(後編)」魚住かおる
「墨野ん家の事情」オオノサトシ
岩村ヒサエの「離縁の地」★★★☆☆は雰囲気はいいんだけれど、絵柄的に町の人と村の人の違いがわかりづらい。明らかに異質という設定なはずなのに、最後になるまで気づかずに、ただの孤独な子どもの妄想ものかと思っていた。それとも、そう思わせておいて実は――という話なのかな? でもそれだと構成が成り立ってないような。新しい住人は人間じゃない。どうしてみんな気づかないんだ……という定番の設定をひねったSFファンタジー。
ほかに大槻ケンヂ『くるぐる使い』★★☆☆☆の漫画化。第4話「妄想」。最近はミステリの漫画化とかが濫立状態で、この大橋薫という人も、下手ではないけど……レベルなんだけれど、くるぐるのビジュアルは秀逸。
JETのホームズもの「六つのナポレオン胸像」も掲載。
言葉は悪いが(ストーリーものに限って)同人っぽい絵柄の多いなかで、オガツカヅオ『りんたとさじ』「味の人」★★★★★は絵もうまい。ほとんどストーリーらしいストーリーはないのだけれど、絵の魅力だけでも読ませる力がある。登場人物のアニメ顔、それとうらはらに手足のバランスを始めとしたデッサン力の確かさ、これもアニメ顔とはうらはらの生き霊の不気味さ。このひと単行本はまだないんだな。
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『ネムキ』2007年05月号
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