画集を復刊してほしい、と思っていたところ、記念館(→ここ)でカタログ兼画集のようなものを作っていることを『S-Fマガジン』で知りました。値段も画集にしては手頃。さっそく購入。
限られたページ数に詰め込んでいるので、A4サイズに4点ずつくらい掲載(つまり一つ一つの絵はA4の四分の一の大きさ。ちと小さい)なのは仕方ない。
多くの人にとって、竹中英太郎とはやはり探偵小説の挿絵だと思うし、本書でも質量ともにそれが大半を占めています。乱歩・正史・宇陀児・夢野……作風なんて違うはずの探偵作家たちのどの作品にも、妖しくて不気味な英太郎の絵はマッチしてしまう。マッチするというよりも、作品の方を英太郎の世界に引き寄せてしまっている。それの最たるものが、乱歩からスピンオフした『大江春泥作品画譜』でしょう。(実は「挿絵」としての乱歩絵の方が好みではあるんだけど……)。
横溝正史『鬼火』の挿絵で竹中英太郎を知って大好きになったのだけれど、これまで文庫や雑誌の挿絵でしか見たことがなかった。鮮明な印刷で見た挿絵は、これまでのイメージとはちょっと違った。。。まあこういうこともある。
こうしてまとめて見ると、英太郎ってビアズリーを和風にしたような感じなんだな、というのがよくわかる。
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『竹中英太郎 生誕百年記念』
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