いやあ錚々たるメンバーです。どうしてこの人は載っていないの?という人はほかに何人もいるけれど、それはあまりに贅沢な文句でしょう。
翻訳論ではなく、翻訳家によるエッセイがそれほど面白いのかな?と、読む前は半信半疑だったのですが、いやいや名訳者はやはり名文家。面白い。
「アントン・パーヴロヴィチ」を「チェーホフさん」に言い換える話や、「ヤマタノオロチ」についての作品論(ですね、これは)や、須永朝彦による古典の現代語訳や、岸本佐知子が明かす“ノリー語”の数々や、『トランス=アトランティック』の翻訳や『レ・コスミコミケ』の翻訳、耳で英語を覚えた伊藤比呂美の娘が書いた訳文の話や、ボルヘスとガウチョものと言葉の関係などなど、面白くいうえにためになる話が満載です。
『翻訳家の仕事』
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