『ニール・サイモン2 サンシャイン・ボーイズ』ニール・サイモン/酒井洋子訳(ハヤカワ演劇文庫)★★★★☆

 読み出してしばらくしてから気づいた。映画版を観たことがあった。これほどすっかり忘れていることなんて珍しい。よほど印象に残らなかったのか、年のせいか。

 映画版でいえば、『おかしな二人』では神経質なジャック・レモンにいらいらさせられる役のウォルター・マッソーが、反対に人をいらいらさせる役なのがちょっとニヤリ。

 三谷幸喜氏の『Bad News☆Good Timing』の本歌ですね。映画だと『どつかれてアンダルシア』なんてのもありました。意外と創作家を刺激する題材なのでしょうか。

 ウィリーの尋常じゃない意地っ張りぶりに、笑ったり苛ついたり苦笑したり。過去のしがらみにしがみついている男、という設定とは無関係に、この子どもっぷりだけで充分に満足できる。後半にちょこっと出てくる看護婦さんの大人な対応に尊敬。

 『The Sunshine Boys』Neil Simon,1973年。

 人気コメディアンだったウィリーも今はわびしい一人暮らし。甥でマネージャーのベンが珍しくつかんできた仕事は、往年の名コンビぶりを見せる回顧番組で、あの憎たらしい相方アルとの共演が必須条件。ベンの必死の説得で渋々稽古に入るが、目は合わせない、言葉じりをとらえ対立する、二人の意地の張り合いはエスカレートし遂に決裂へ……人生の黄昏時を迎えた男たちの姿を、最高のユーモアと哀感をこめて描く傑作戯曲。(裏表紙あらすじより)
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