『前巷説百物語』を読んだので当然のごとく読み返したくなっちゃいました。読み返してみると、けっこう地味なんですよねえ。『前巷説百物語』の玩具大集合みたいな派手さと比べると、完成度は高いのだろうけれど、かなり地味です。『前』であれだけ又市たちを苦しめた祗右衛門が、本篇ではさらりと触れられてるだけなので「ありゃ」って感じで拍子抜けしちゃうんですね。無論それは話が逆で、本篇でさらりと触れられていた内容を『前』でこってりたっぷり描いたってことなんですけど。『前』を読んだあとだと、石部金吉の同心田所も、志方に通ずるようでいっそう味わいがありました。
不死の祇右衛門の話は斎藤隆介「浪兵衛」と同じ内容なので、共通する典拠があると思うのですが、不明です。
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