「オノ・ナツメ」であるとか「時代劇」であることに惹かれて読む人にはおすすめできないのかな。
けっこう面白かったので2巻以降が出ているかどうかamazonで確認したついでにレビューをさらり。賛否両論ではあるけれど、的確な評というよりは、読むべき人でない人が読んでしまっている印象。
要は、必殺仕掛人です。もとい攫い人。そんな人たちに巻き込まれた一般人(浪人の政之助)の視点で物語は進んで行きます。で、この政之助が腕は立つのに恥ずかしがり屋という絵に描いたような漫画キャラ。
仕掛人+何もわからぬ一般人視点ということもあって、京極夏彦の巷説百物語や京極堂シリーズあたりを連想しました。あんまり好きな言葉じゃありませんが、「大人のための娯楽作品」とでも言えばいいでしょうか。ジャンプの漫画は子どもっぽすぎる、といって文芸漫画だと地味すぎる、という方なら読んで損はないでしょう。
〈さらい屋〉という設定が秀逸ですし、ニヒルで謎めいた優男の弥一、つっけんどんな坊主頭の大男の梅、婀娜っぽい美女のおたけ、クールな町人の松吉、お調子者の同心、純朴そうな梅の娘お絹などなど、いかにもなクセ者キャラがたくさんいて楽しめます。
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