『S-Fマガジン』2008年5月号No.625【海外SFTVドラマ特集】

「My Favorite SF」(第29回)小林泰三

阿修羅王は、なぜ少女か」宮野由梨香【第3回日本SF評論賞受賞作】
 実作者の人生に結びつけるタイプの作品論はあまり好きではない。でも、たとえ光瀬氏自身による裏付けがなく事実とかけ離れた頓珍漢な論だったとしても、そういう大いなる妄想みたいな熱意は好きだし、わざと誤読するタイプの評論は大好きなので、そういう面白さはありました。
 

「海外SFTVドラマ特集」
 残念ながら興味がない人間としてはちょっとつまんない特集だった。なんとか途中までは毎週見ていたSFドラマっていうと、スピルバーグ製作総指揮の『TAKEN』くらいかなあ。『X-File』や『ミディアム』はちらっと見たことがあるくらい。。。
 

「乱視読者のSF短篇講義」若島正(第8回 サミュエル・R・ディレイニー「コロナ」)
 ちょっとこの「SF短篇講義」シリーズはイマイチです。乱視読者シリーズは未訳本の紹介+目から鱗の読み方が面白いのに、これはほんとに大学の講義そのまんまな感じのものが多い。
 

「SFまで100000光年 56 魔法気取りの科学」水玉螢之丞
 オタクにはオタクの住む世界があるようです。
 

「TELL ME A VISION新間大悟《SF Magazine Gallary 第29回》
 『虐殺器官』の装画家。言われなきゃわからん。
 

「MEDIA SHOW CASE」渡辺麻紀鷲巣義明・添野知生・福井健太・飯田一史・北原尚彦
◆今回はなぜかホラー(系)が多い。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(いや、さすがにこのカタカナ邦題にするならいっそ英語のままにしろよ……)、『ノーカントリー』、『ブラックサイト』。スパイダーウィックの謎の動くゴブリンたちが見てみたいなあ。

◆復刻発売された平山みき『鬼ヶ島』について、ニューウェーブだなんだとかなり面白い(^^。
 

「SF BOOK SCOPE」林哲矢・千街晶之牧眞司長山靖生・他
円城塔オブ・ザ・ベースボール』、スラデック『蒸気駆動の少年』は紹介されるまでもなくなので置いといて。気になるのはアラスター・グレイ『哀れなるものたち』、石神茉莉『人魚と提琴』あたりかな。石神氏は『幻想小説』の人です。長篇なんですね、短篇集が読みたかった。。。
 

「魔京」12 朝松健

『怨讐星域』第7話「誓いの時間」梶尾真治加藤龍勇イラスト
 ――町で自分がどういう扱いを受けるのか、タツキは不安だった。「奴隷にされたりすることはないのか?」「同じ人間だから、罰を受けることはないと思う」マッサの言葉にどれほどの信憑性があるかはわからなかったが、タツキにはマッサを信じるしかなかった。

 「仮想敵」で現実社会を諷刺しつつ、ストーリーが少し落ち着いてきたので、このままじっくりコミュニティのドラマになるか、新展開になるか楽しみ。
 

「SF挿絵画家の系譜」(連載26 長尾みのる大橋博之

「サはサイエンスのサ」159 鹿野司
 2ちゃんとニコ動の有用性。

「家・街・人の科学技術 17」米田裕
 ノイズを除去するヘッドホン。こんなのも出てるんだあ。
 

「センス・オブ・リアリティ」
◆「どこでもドアの開き方」金子隆一
◆「セレブ妻でさえなければ」香山リカ
 

ゼロ年代の想像力 「失われた十年」の向こう側 11」宇野常寛
 『ウォーターボーイズ』〜『涼宮ハルヒ』〜ブルーハーツ。個々の作品論としてはともかく、社会評論として筋が通っていてわかりやすい回でした。これまでは何が何でも東浩紀を仮想敵にせんとして強引さが目立っていたような気がします。
 

大森望のSF観光局」17 スラデック・アット・ランダム
 『ミステリマガジン』と同じくスラデックの話題。大森訳についてとサンリオ本についてとその他スラデック話。
 

「トキノフウセンカズラ」藤田雅夫

「生煙草」草上仁

「南極点のピアピア動画(後篇)」野尻抱介
 ――省一の恋を実らせるため、ピアピア技術部は『宇宙男プロジェクト』を開始した!(袖惹句より)

 ありゃりゃ。これじゃあ後編というよりエピローグというか後日譚というか、SF的には前編で大方が完結してます。もっとハードSF的に「如何にして宇宙に行けるか」みたいな怒濤の書き込みを期待していたのに、院生の恋バナとニコニコ動画の可能性(?)の話がメイン。
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