第二巻。誰だってそりゃあ話が進むと思うでしょう。ところがナンと、政がいきなり病気になって養生してしまいます。開巻早々に話が停滞するのかなあと思っていたら、ああなるほど、一味の過去が動き出すのですね。今回は梅の過去の話。
第1巻ですでに、梅が元盗賊で、五葉のきっかけが娘のお絹にあったというのは明らかになっていましたが、その辺りの事情がもうちょっと詳しく明かされます。
ぶっきらぼうだけど人のよさそうな梅らしいエピソードでした。足抜けがらみの話も犯罪小説のようでぞくりとする話でしたが、お絹がらみの話も反対に心が温まるいい話でした。
特に「そんな格好で寝たら風邪ひくよ? おとっつぁん。」の前後のコマ、すごくいいです。ありがちなのかもしれないけど、連続する動きではなくカットごとのコマ送りのようなコマ割りと、テレビや映画で言えば俳優の顔は映っていないのに画面の外からセリフが聞こえてくるような絵が、とても効果的でぐっときます。臭いっちゃ臭いシーンなんですけど、このシーンだけでも何度もくり返し読んじゃいました。
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