『そして死の鐘が鳴る』キャサリン・エアード/高橋豊訳(ハヤカワ文庫)★★★☆☆

 『His Burial Too』Catherine Aird,1973年。

 『有栖川有栖の密室大図鑑』で紹介されていた未読作のうちの一作。

 それなりに期待して読んだのだけれど、トリック自体はバカミスだったなあ。。。初めのうちは〈運ぶときに十二人必要なほどの石像がどうして倒れたのか?〉という謎だったのに、いつの間にか石像の重さとは無関係に〈密室なのにどうやって石像を倒したのか?〉という謎にスライドしちゃってるような。結局、密室の謎というより○○○○ものなんですよね。。。

 むしろ日本の刑事ドラマみたいにアットホームな雰囲気の署長や警部ら警官たちが、海外ミステリドラマみたいにジョークの応酬をしながら捜査するのが面白かった。

 記録的な猛暑が英国を襲った日、ロンドン郊外のランダルズ・ブリッジで異常な天候に劣らぬ怪事件が起った。教会の鐘塔で、倒れて砕け散った巨大な石像の下から男の腕が突き出ていたのだ。捜査の結果、被害者は圧死前に殴られて気絶したことが分った。像は故意に倒されたのだ! が、人の通れる窓もなく、積った破片が出口を塞いだ塔内から、犯人はどうやって逃げたのか――ベリバリー警察のスローン警部は巧妙な密室殺人の謎に敢然と挑む! 英ミステリの伝統に現代性を加え、知的ユーモアをちりばめた独自の作風を築く期待の女流本格派初登場(裏表紙あらすじより)。

 【※トリックネタバレ覚書*1
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*1あらかじめ土台に楔を挟んで倒れやすくしておき、窓の外からフーコーの振り子を動かすとしばらく経ってから振り子が像に当たって像が倒れるというアリバイ・トリック。

 

 


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