『Self-Reference ENGINE』円城塔(早川書房)★★★★★

 『S-Fマガジン』で「A to Z Theory」→「Boy's Surface」→「Your Heads Only」→「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」と読んでから本書を読んでみると、驚くほどにまともで親切でわかりやすい(^_^;。

 というか、わたしにはこれが限界だな。『Boy's Surface』とかはたぶん無理だ。わからなくったってコント集として楽しめるからいいんだけどね。

 面白さを伝えるにはどこでもいいから任意のページを引用するのがいちばん。

 この見解へ一等最初に辿りついたのは、残念ながら僕ではない。

 記録には全く残っていないのだが、一人の老教授の最終講義が、鯰文書の全貌を明かしたものとして残されていない。

 お前は何を言っているのかと言われそうだが、事実の方がそうなのだから仕方がない。

 トメさんとだけ呼ばれたこの老教授について判明していることはほとんどない。特に目立った事跡を残していないことにもよるが、その忘られっぷりというのは特筆に値する。何といってもその最終講義にあたり、一人の出席者も見あたらなかったというところからして尋常ではない。

 背表紙の著者名だけが明朝体なのが残念。Jコレのフォーマットなんだろうけれど、もったいない。。。

 それは、あまりにもあっけない永遠だった――(帯惹句より)
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