『ネムキ』2008年1月号Vol.104(朝日新聞社)

 前号で最終回を迎えた作品がいろいろあり、新連載もスタートの新年号。

 巻頭は百鬼夜行抄』「鼠の糸巻き」。なんかもうほとんど開さんがレギュラー化してて、青嵐すらほんのワンシーン。鼠に齧られ爪のない女という、冒頭のお伽噺風の物語に引き込まれる。あとはいつも通りに巻き込まれ。

 岩岡ヒサエ「びいだま憑き」は、「眠れぬ夜のなごみ系」と角書きにあるとおりの絵柄でハートウォーミングな読後感なのだけれど、〈主人公だけに視える子ども〉を繋ぐ糸に説得力がある。ちょっとした子どもの悪意さえなごみ系に昇華されてて感服。

 オオノサトシの新連載「月刊Barracuda。すり鉢会社の社長令嬢(?)がセレブを目指す話?

 「栞と紙魚子」が実写でテレビドラマ化らしい。公式ホームページで再放送を見てみたら意外と本格的な怪奇ものっぽい作りでした。

 三原ミツカズ「毒姫」はたった10ページだから話にほとんど進展なし。

 猪川朱美「乙姫の嘘」は、いかにもなマンガチックな絵柄なのに中身はけっこう民俗学。でもやっぱりこの絵でこの話は違和感あるなあ。

 オガツカヅオ『りんたとさじ』「鳴く人」は楽しみにしてたのに、何だか普通の漫画になっちゃったな。。。あの独特の感じがなくなってる。

  『ネムキ』2008年1月号
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