なぜだかわからないけれど、大笑いしてしまった。
座敷童(とその類似妖怪)の伝承だけでできた一冊の本が刊行され、あまつさえそれが復刊されてしまうということに嬉しくなってしまったのかもしれない。
それだけに今までのBIBLIO異の世界シリーズ以上に読者を選ぶと思うけれど、『遠野物語』や『現代民話考』が楽しめる人なら問題ないと思う。研究者は言うに及ばず。
子どもが御神体で遊んでいたので大人が怒ったら、かえってその大人が子ども好きの神様に怒られてしまったという伝承や、秋田に伝わる三吉さんの伝承など、周辺の話も面白い。
基本的には伝承の紹介なんだけれど、ところどころで明らかにされる著者の思想が日本がどうとか人類がどうとか壮大すぎて可笑しかった。
柳田國男著『遠野物語』の語り手である佐々木喜善は、オシラサマやザシキワラシの研究や四百編以上の昔話の蒐集などにより日本民俗学・口承文芸研究に大きな功績を残した。本書には「奥州のザシキワラシの話」全篇ほか、「日本のグリム」が残した貴重な民俗資料を多数収録している。解説桜庭一樹(カバー袖あらすじより)
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『遠野のザシキワラシとオシラサマ』
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