石田衣良が田村隆一のファンだなんて意外でした。小池真理子のエッセイも世代が違うのでまったくついていけなくて逆におもろい。このおばさんアホだな〜とか思いながら読んでた。寂聴さんもまあある意味、言いたい放題。でもこの人は美輪明宏とかと一緒で、別世界の人だからなあ。鹿島茂や千野帽子が意外とおとなしくてものたりなかった。中野翠の小津映画エッセイが鋭い。
小特集は岸本佐知子。ミランダ・ジュライ「水泳チーム」「その人」(Miranda July,The Swiming Team,The Person)の翻訳と、エッセイ「カブトムシ日記 2007年8月−10月」、豊崎由美エッセイ。
別れた恋人には話せなかった、プールのない水泳コーチの話。「その人」といいながら、たぶん「わたし」の、もしかすると「あなた」の話。現実とのこういう距離の取り方が、最近のアメリカ短篇には多い。直截的でないのに痛さがびしばし来る感じ。
日記は読んでいるうちに本当なのか嘘なのかわからなくなってくる。「黄門爆殺計画」なんて、いかにも流れのなかに潜ませた「さり気ない嘘」っぽいんだが、検索してみたらどうやら本当らしい。
南條竹則がドストエフスキーをイッキ読み。児玉清の「私の本棚」。小谷野敦が「ほんとうの話でないと面白くない」新刊評。江國香織と古川日出男の往復書簡。倉田真由美×大平健のyomyom診療室は空気読んだり品格とか。
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