これまで以上に寄せ集め感が強い。本格ミステリー観はこれまでの繰り返しだし。
読みどころは、福山文学館が選ぶ島田作品に寄せた自作解説、文庫解説として書かれた作家論、金田一少年問題あたりか。
『御手洗潔攻略本』掲載の「御手洗潔、その時代の幻」のなかで、御手洗が日本の教師と切腹制度について語ってて、それが矢作俊彦『ロング・グッドバイ』で触れられた警察官の不祥事と締めつけと発想は一緒だなあと思って興味深かった。わかる人には当たり前のことなんだろうな。
「コナン・ドイルはフレッチャー・ロビンソンを殺したか」は『コナン・ドイル殺人事件』に付された解説。これを読めば『ドイル殺人事件』は読む必要なしという、らしいと言えばらしい解説だ。他人の著作で『秋好事件』や『三浦一義事件』を書いたようなもんですね。
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