『Le Diable au Corps』Raymond Radiguet,1923年。
なんだこりゃ。
一読20世紀の作品だとは信じられません。なぜこれが絶賛を浴びたのかということは、訳者の解説を読めばわかりますが……。わかりますけど……。
三島やコクトーが絶賛というのも(悪い意味で)よくわかる。『恐るべき子供たち』を読んだときにも感じたけれど、自分大好きな思春期のころに読めば感銘を受けたのかもしれないのかな。
どんなに克明で硬い心理描写であっても、描写されているのがナルシスくんの心理じゃあねえ……。登場人物が嫌いってのと小説として傑作ってのは別問題ではあるんだけど。。。例えばうんこについて書かれた傑作というのもあり得るんだけど。。。
気違い娘がライトに照らされて屋根から身を投げる冒頭シーンだけが印象に残りました。
18歳を過ぎてこの小説を絶賛している人とは知り合いになりたくないと思った。
第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。(カバー裏あらすじより)
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