『Перманентная Революция』Лев Давидович Троцкий,1930年。
評論というよりは、批判に対する反論という形なので、どうかなと思っていたのだけれど、かえって読みやすかった。この思想に賛同するかどうかを抜きにして、ディベートを楽しむみたいな楽しみ方ができるからです。
レーニン『帝国主義論』もそうだったけれど、印象だけでひとくくりみたいに思ってた理論や作品を、詳しい解説付で原典から訳してくれており、ただの新訳というよりは再紹介・再評価の色も強い。というか、それでこそ新訳の意味があろうというものでしょう。
とはいえ人文系の新訳がぞくぞくと刊行されるのは嬉しいのだけれど、最近になってルソーもお目見えしたりして、どうも蟹工船ブーム(言葉どおりの単なるブーム)の流れっぽくてよろしくない。ミルやフロイトも新訳されているから、革命系ばっかりというわけでもないのだけれど。
自らが発見した理論と法則によって権力を握り、指導者としてロシア革命を勝利に導いたのち、その理論と法則ゆえに最大級の異端として、もろとも歴史から葬り去られたトロツキーの革命理論が現代に甦る。付録として本邦初訳の「レーニンとの意見の相違」ほか5論稿収録。(カバー裏あらすじより)
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