『モンキービジネス 2008 Summer vol.2 眠り号』(ヴィレッジブックス)

 なぜ「眠り」特集なのか!?という点にはいっさい触れず、当たり前のように鼎談がスタート。

 よく言われる「日本人はなぜか印象派が好き」という決まり文句に、こんなに明確で(たぶん正解の)答えがあったんですね。

 そして「眠り文学50選」。作品の抜粋とコメントを50作分。個人誌(?)だからこそやれるというか、本気度が伝わって来ます。

 ラルフ・エリスン「広場でのパーティ」は、この作家についての前知識も作品の内容あらすじも知らないうちに読むことをおすすめします。「黒」をめぐるファンタジーっぽい話かと思いきや……。

 今回の古典再録コーナー(?)は中島敦「悟浄歎異」。言われてみると「空を悟る」なんだねえ。

 戌井昭人「どんぶり」は、油断してたらびっくりるすような展開になった。巻末の執筆者紹介欄で演劇関係の人だと知って納得したものだが。

 そのほかリン・ディン『血液と石鹸』より数篇、岸本佐知子「あかずの日記2」、西岡兄妹カフカバリー・ユアグロー古川日出男「果実」、川上弘美「事務室」、ミルハウザー「イレーン・コールマンの失踪」、ハルムスの世界、そして眠り特集・小川未明「眠い町」など。

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