「結婚の悦び」レベッカ・ブラウン/柴田元幸訳(The Joy of Marriage,Rebbeca Brown)★★★★★(新潮文庫『私たちがやったこと』より)

 私たちは新婚旅行で田舎に行く。私たちの新婚旅行の家は、大勢の人でごった返している。ディナーのあとには映画がある。見るとそれはポルノ映画で、映っているのはあなただ。やがて、もう一人の方にも気づく。それは私だ。

 執事が出てきた時点で、もしや何かがおかしいのではと思い始めました。執事? とはいえ夫は文字どおりの大富豪なのかもしれません。大富豪と結婚したことで孤独感を痛いほど感じることになる妻の物語。「透明人間になったみたいな気分」。夫から見ても他人から見ても、一人の人間ではなく「男の妻」でしかない……? 事実なのか妄想なのかはわからないけれど、極端な状況が設定されることで、「私」の孤独感がいや増しに増しています。

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