「十八の夏」光原百合(『十八の夏』双葉文庫より)

 本国版EQMM読者アンケートで何位だかに選ばれたそうです。

 ミステリとしても青春小説としてもエグくてびっくり。ごくごく日常的な会話の端々に伏線が潜んでいるのも、登場人物の性格設定も真相とかかわっているのも、ミステリならではの人工的完成度の高さです。そこまでするかというくらいのエグさが、作品として必然なんですよね。

 浪人中の信也がいつもジョギング中に見つめていた女性がいた。ひょんなことからその蘇芳紅美子の住むアパートの一階に越してきた信也。部屋におじゃますると、朝顔の鉢が四つ。紅美子は朝顔を「お父さん」「お母さん」「僕」「私」と名づけていた。
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