『モーニング・ツー』No.23
オノ・ナツメ『COPPERS』第2巻発売(Season I 完結)記念の番外編ブックレット「108→51」付。リアル絵バージョンのキースの話。でもこうして見ると、小さい人バージョンの方がキャラクターのバリエーションが豊富なんですねえ。意外。
本誌の方も読んでみる。山下和美『不思議な少年』第34話「マリー・ロンドン」。基本設定は『サンセット大通り』ものなのだけれど、ただの過去の遺産ではなく、現在の歌声も披露されているのが特徴的です。そして未来にも連なっているし。奈良美智みたいな目つきの女の子が成長してからの顔の、作画のセンスがびっくりするくらいに上手い。基本はそのまんま、で、なおかつ美人、というのは凄い。
中村光『聖☆おにいさん』その26「7月1日雨のち晴れ」。二人は映画館に。
ほかは連載ものも多いのでぱらぱらっと。海外ものも掲載されてるんですね。アメリカ人フェリーペ・スミス(Felipe Smith)の「ピポチュー(Pee Po Choo)」と台湾人 Kinono の「Kinono's Kiwifruit comic tales」。アメリカの漫画絵はやはり受けつけない。。。日本漫画のオタクっぽいところをクロースアップさせたうえにアメコミとカトゥーンをブレンドしたような、最凶の絵柄です。Kinono の方はヨーロッパの影響受けまくり――ていうか、もろパクリでは?と思ってしまうような絵柄でした。
『ふらんす』2009年7月号
特集が「フランス革命220年」だったので購入。ひととおり全部読む。
フランスでも日本とまったくおんなじ競泳水着の問題が浮上しているんですね。というか、あのFINAの対応じゃあ問題が発生して当たり前ですよねえ。。。
「続マノンの練習帳」では、フランスの小学校の課外授業が紹介されていました。行政機関が漫画家を講師に招くことを企画するのはともかく、授業の内容自体が日本とは全然違います。授業前の先生からの注意事項「注意深く人の話をきく」「同じような質問はしない」、質問の答えは用紙にメモ。
「ふだん着フランス語」では「マジで?」の表現いろいろ。
「オレ流蘊蓄単語帳」では『星の王子さま』から「intérêt」について。「推理によって」「首尾一貫性」を見出すことの重要性を説く。
「フランス革命と無神論」竹下節子……キリスト教という(それまでとは)特異な宗教が、儀式としての宗教や理性的なストア哲学の立場を奪ったが、やがて国教化によって儀式化されたことの反動でストア哲学が再発見され……そしてフランス革命の「至高存在」や「理性の女神」に至る。
「フランス革命戦争と徴兵制」吉田哲史……フランスで徴兵制が始まったのはフランス革命時の対外戦争で兵士が足りなかったから。フランスで国防・軍事について嫌悪感が少ないのは、革命時の意識を誇りに思っているからかもしれない。
「カリカチュアという民衆革命」林田遼右……フランス革命当時、諷刺文書(パンフレット)のほかに、風刺画(カリカチュア)も数多く製作された。字の読めない民衆には、版画や歌の方が効果的だったのである。何と革命派に対抗して王党派もカリカチュアを製作したが、あまり効果はなかった。
「寄り道ふらふらフランス語」黒田龍之介……プラハの中高生向けフランス語教科書について。なんか、この先生と生徒の会話のノリは楽しそうでいい。
「知られざるフランスの自然文化遺産」羽生のり子……ostension「聖骨披露」という儀式を紹介。七年に一度、聖人の骨を聖骨箱から取り出して衆人に見せて回る儀式だそうです。
「12人の悪女」桐生操(マルグリット・ド・ヴァロワ)……王妃マルゴについて。
「パリ風俗事典 64」鹿島茂……シテ島について。アンドレ・ブルトンと獅子文六(!)から。
「対訳シナリオ 地下鉄のザジ」
書評では、エミール・ゾラ『ウージェーヌ・ルーゴン閣下』、『スタンダード時事仏和大辞典』
『GINZA』2009年7月号
川上弘美×レベッカ・ブラウン対談(柴田元幸・司会)が掲載されてます。二人ともリアリズムが苦手、というのは作品からすごくよくわかります。川上氏が言っている、「最近の20代、30代の若い人の、ことさらに「私小説」として書いているのではない、架空の話として書いている小説のほうが、せつないほどリアルだと私は思うんです」というのも、何となくわかるような気がします。
『GINZA』2009年7月号
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『COPPERS』(2)オノ・ナツメ
第一巻はすごくいい感じの群像劇だったのだけれど、本書は逆に、もっと長く書いた方がいい一人一人の話をたくさん詰め込んだという印象。キャラクターに馴染んでくると、その人をもっと知りたいと思う読者のわがままでしょうか。
『COPPERS』2
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『世界文学は面白い。』奥泉光×いとうせいこう(集英社)
読んでない本、『坊っちゃん』『愛人』『阿Q正伝』の三篇が面白そうでした。というのも、漫談とはいいつつ、このお二人、けっこう真面目なんですよ。テクニカルな話を突っ込んでしたり。そういう部分は本を手元に置いて再読もしなきゃよくわからないんですよね。未読の本なら、未読なんだからわかんないよ、って飛ばしちゃえばいい(!)んですが、既読の本だとなまじ気になって。
『世界文学は面白い。』
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『食卓にビールを』小林めぐみ(富士見ミステリー文庫)
物理学科出身でかつSFマガジンで紹介されていたから期待していたのですが、ハードSFではなかったんですね。。。いやガチガチのハードSFだとそれはそれで困りますけど。でもミステリー文庫らしく、ミステリ的な仕掛けがありました。