『脳Rギュル2 ショートツ心臓とヤネ裏のタマゴ』佐藤大/夢野久作/わんぱく(小学館ガガガ文庫)★★★★☆

 夢野久作「人間レコード」の跳訳第二弾。

 前作とは違い、脳Rそのものはほとんど描かれず、脳Rをめぐる人間たち同士の攻防が中心に据えられています。そうしておいて、前作の出来事そのものをまるごと今回の事件に取り込んでしまう構成になっています。こういう作りって好きなので面白かった。

 シイにいたっては事件そのものとも今回はほとんど関わりを持たず、恋愛話がメインです。

 夢野作品からは「瓶詰地獄」と「卵」が印象的に使われていました。

 最後に出てくる少女たちの武器がエグくて、記憶に残ります。。。

 人間の脳髄を汚染する怪電波“脳R”が降り注ぐ幻想都市トウキョウ孤区。その謎を解明すべく無敵のコンビ、中央機密局の脳R対策員ギヤマと共振者・女子高生シイが疾走する。脳R化した政界の黒幕・ゼンダ翁を見事追い詰めたふたりだったが、直後、謎の美少女オトラとギヤマの不審なツーショットを目撃してシイちゃん大ショック……突如イズの温泉街まで傷心旅行へと旅立ってしまう。何も知らぬまま、オトラの奇怪な精神の迷宮を彷徨い続けるギヤマ……ふたりの恋の行方やいかに? 夢野久作の幻想怪奇ワールドを大胆にアレンジ・跳訳化した脳髄ギュルギュル・ラブストーリー、待望の続刊登場!(カバー裏あらすじより)
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『脳Rギュル3 ソラと耳にルルとパラソルに囁くカゲ』佐藤大夢野久作/わんぱく(小学館ガガガ文庫)★★★★☆

 完結編。今回はエログロもあっさりめなうえに、最後には絵に描いたような前向きな結末なので、意外とさわやかな印象です。

 読み終えてから見ると、表紙のイラストがカッコイイ。だってある意味、堂々とネタバレだもの。

 怪電波脳髄汚染“脳R化”を「人間の進化」と考え、セカイに暗躍する機密組織“ザムザ”の存在がついに明らかとなった。対策員ギヤマは、ザムザの首謀者・赤マントの正体をつきとめるべく上海へ。謎の薬物“紅×碧”をめぐり映画都市・阿阿噛夢へと迷い込む……。一方、調整官ヒメクサは“共振者たちの故郷”バーラタ圏へと帰郷し、乙女ローバと邂逅する。「ニホン、いやトウワ共栄圏の脳R侵攻段階は第2段階から第3段階へと向かいつつある」……その頃、ニホン圏に残された共振者女子高生シイは、文化祭準備の賑わう校舎で、あるクラスメイトの奇妙な行動を目撃していた。跳訳大作ついに完結。堂々の大団円!(カバー裏あらすじより)
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『脳Rギュル 脳或公使』トミイマサコ夢野久作佐藤大小学館IKKI COMICS)★☆☆☆☆

 小説版『脳Rギュル』の方で前史について思わせぶりな記述があったので、まんまと乗せられて、前史を描いた漫画版を購入しましたが……

 ヒドイ。。。

 なんでギャグにしたんだろうなあ。レトロなタッチの絵は夢野作品の世界にマッチしていますが。

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