『逆立ち日本論』養老孟司・内田樹(新潮選書)★★★★☆

 おふたりの評論家的ではない発想が非常に面白い。

 小泉純一郎が「変人」なのは川崎が選挙基盤だからだ、だとか、北海道はフィンランドと同じくらいの人口なのだから独立すれば面白い、だとか、別に奇をてらっているわけではなく、発想の軸がゆるやかで両極を自由に行き来できちゃうんだろうな。

 対談なのでアイデアの応酬みたいにぽんぽん放言するんで、「“高級”漫才」とはよくいったもので、すいすい読めるし、なかには駄法螺としか思えないような発言があっても、こうしたフレキシブルな発想の機関銃を楽しむ分には贅沢な本です。


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