『トレジャー・キャッスル』菊地秀行(講談社ミステリー・ランド)★★★☆☆

 表紙イラストのお色気ばばあ(^^)は、なんと中学生です。裏表紙には切れ長の目の美少年。いやあ、菊地秀行はこうでなくっちゃ、なのかもしれません。

 なのにこの二人、実は主役ではありません(^_^;。

 一ページ目からいきなり喧嘩。バトルで盛り上がっているのですが、この喧嘩の主が主人公。裏表紙の真ん中あたりにちっちゃく描かれてる人です……。

 物語はこの喧嘩坊主の一人称で描かれているのですが、これが大失敗。考え方や言い回しが五十過ぎのおっさんにしか見えません。ギャグもほぼまんべんなくスベってますし。。。

 トレジャー・キャッスルというタイトルではありますが、宝の場所を探す謎解きでもなければ、宝島に向かう冒険小説でもなく、ひたすら闘っている格闘バイオレンスなところが著者らしい。格闘技や武器に関する「正しい知識」もいたるところで披露されているので、そっち方面で子ども向け啓蒙(?)できるかも。

 みなさん無敵ですが、なかでも無敵のばーちゃんが一番印象に残りました。

 「おれ」は喧嘩の達人・中学三年生。今日の決闘の舞台は、おれが住んでいるSM市にあるSM城趾。相手は金で雇われたプロの〈喧嘩屋〉ということで少々分が悪い。てなわけで、おれは早々に退散し武器蔵に逃げ込んだ。と、そこに見たことのある面々が……。イケメン丹野、文学少年能登、美少女の冬美。みな同級生だ。能登が口を開いた。「僕はこの城の何処かに今も眠っている宝を探してるんだ。」一攫千金を夢見て、おれたちは一緒に宝探しをすることになったのだが……。何者かの襲撃、そして――怪物!? どうやらこの城には歴史の裏に隠された、いわくありげな秘密がありそうだ。本当に宝はあるのだろうか? おれたちは宝を手に入れることができるのか!?(函裏あらすじより)
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