『ノパルガース』ジャック・ヴァンス/伊藤典夫訳(ハヤカワ文庫SF)★★★☆☆

 ヴァンスの長篇は『竜を駆る騎士』に続いて二冊目。途中まではまたもスペース・オペラというか対戦もの風でしたが、むしろ地球に還って来てから珍妙な展開になり始めます。長々と議論したあげく、「素手」で「ひげ」を引きちぎってやっつけたり、隣にいる人に袋をかぶせたり。こんなアホな場面なのにただならぬ緊迫感が満ちているのはさすが(?)。こういう変な話の方が好きです。

 まさかこんなことが! 国防総省所属の科学者ポール・バークは愕然とした。謎の異星人に突然拉致され、焦土と化したその母星へと連行されたのだ。自らをトープチュと称する彼らは、通常は見ることも触ることもできない怖るべき寄生生命体ノパルを殱滅すべく戦っているのだという。そして、ノパルの発生源ノパルガースを浄化する協力をバークに求めたのだが、なんと、そのノパルガースとは!? 鬼才ヴァンスが放つ戦慄の異世界(カバー裏あらすじより)
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