桜庭一樹×川出正樹の翻訳ミステリ応援対談と銘打たれてはいますが、編集者も含めたサスペンス好きの座談会です。ドビンズ『奇妙な人生』、レンデル『ロウフィールド館の惨劇』などの名前があがってました。
トンデモ歴史ミステリはもはや鯨統一郎の専売特許ではないのだな、と思ったら、「聖剣パズル」の高井忍というのは「漂流巌流島」の人でした。切れ味するどいトンデモではなく萌え(?)キャラが理屈っぽい説を披露する作品でした。「聖剣」というのは天叢雲剣のこと。
本家・鯨統一郎「写楽の不思議」は、『邪馬台国はどこですか?』シリーズの最新シリーズ第四話。「写楽は○○が××だった」という証明できっこないアイデアの思い切りのよさ。「写楽の正体」が記録に記されている以上、それを素直に信じれば「なぜぱったりと活動をやめたのか」という謎の答えは確かにそうかも、と信じたくなってしまいます。
有栖川有栖インタビュー。最新作『闇の喇叭』は、日本がポツダム宣言受諾を躊躇していたとしたら……というif世界を舞台にした、理論社ミステリーYA!の一冊。有栖川氏いわく、「異世界」ではなく「異社会」。探偵が禁止された社会における探偵小説のようです。