「リズロ氏の奇妙な思い出」「歌姫」モーリス・ルナール(Maurice Renard)(白水社『フランス幻想文学傑作選3』より)

「リズロ氏の奇妙な思い出」(Etrange souvenir de M. Liserot)★★★☆☆
 ――その絵を見たリズロ氏は、描かれている風景に見覚えがあるように感じた。その場所を探し当て、車で向かったところ……(自動車事故で敢えなく死亡)。
 

「歌姫」(La cantarice)★★★☆☆
 ――名もなき端役の歌手はたぐいまれな歌声の持ち主だった。夫と称する男が、その不具の歌姫を支配していた。ぜひとも引き抜きたいとかけあった劇場の支配人を見て、夫は驚愕した顔を見せた。そっくりな人間を知っているらしい……。(かれらは海神の一門であった! 歌姫を奴隷化していた夫に、海神が怒りの三つ夸!)

 モーリス・ルナールはSF作家と紹介されることもあるのですが、これはSFではなく幻想文学が二篇。「歌姫」の方はポセイドンまで登場する怪作です。

 


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