『古今和歌集 日本古典文学全集7』小沢正夫校注(小学館)

 7「心ざし深くそめてし折りければ消えあへぬ雪の花と見ゆらむ」

 9「霞たち木の葉もはるの雪降れば花なき里も花ぞ散りける」貫之

 24「ときはなる松の緑も春くればいまひとしほの笹まさりけり」源宗于

 28百千鳥、29呼子鳥、208稲負鳥

 31「はるがすみ立つを見すてて行く雁は花なき里に住みやならへる」伊勢

 36うぐいすは笠を縫う(梅の花を縫う)

 歌語:駒・馬、田鶴・鶴・宿・家、べらなり(〜らしい・だろう)

 39〜41暗香浮動

 42「人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける」貫之

 いやみったらしい歌なのでは? 詞書きがあるから、先に嫌味を言ったのは相手の方だというのはわかるけれど、それにしたって名歌なのか。

 47「散ると見てあるべきものを梅の花うたてにほひの袖にとまれる」

 53「世の中に絶えて桜のなかりせば春のこころはのどけからまし」業平

 74「桜花散らば散らなむ散らずとてふるさと人の来ても見なくに」惟高親王

 88「春雨の降るは涙かさくら花散るを惜しまむ人しなければ」

 はじめ、雨で桜が散るのかと思ったので、無限ループな歌かと思ったのですが、別にそうではなくただ散っているだけのようです。

 124「吉野川岸の山吹ふく風にそこのかげさへ移ろひにけり」つらゆき

 174「久方の天の河原のわたしもり君わたりなば楫かくしてよ」

 184「木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり」

 192「さ夜なかと夜はふけぬらし雁の音のきこゆる空に月わたる見ゆ」

 225「秋の野に置く白露は玉なれやつらぬきかくる蜘蛛の糸すぢ」文屋朝康

 469「郭公なくや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな」

 470「音ににもきくの白露夜はおきて昼は思ひにあへず消ぬべし」

 616「起きもせず寝もせで夜をあかしては春のものとてながめ暮らしつ」在原業平

 『伊勢物語』の註釈では、特に連続した一日とは解釈されていなかったのですが、本書の訳では「昨夜」「今日」となっていますね。

 866「限りなき君がためにと折る花は時しもわかぬ物にぞありける」

 867「紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る」

 1030「人に逢はむつきのなき夜は思ひおきて胸走り火に心焼けをり」
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