あまり期待していなかった日本作家特集ですが、意外なことに今年はいつもと違う顔ぶれでした。そうは言っても小川一水とスワロウテイルはあまり好きではないし、三島浩司はJコレクション刊行予定作からの抜粋だし、伊藤計劃を食いものにするのはもうやめようよ……
むしろ小説作品よりも、今月から連載が始まった「現代SF作家論シリーズ」(巽孝之監修)が楽しみ。第一回は鹿野司「グレッグ・イーガン あなたの思う猫はわたしの思う猫とは違うよ」。あからさまに賛否両論ありそうなこういうのを第一回に持ってくるあたり、良くも悪くも盛り上げようという確信犯か。
書評など
◆『ポストヒューマンSF傑作選』、『エステルハージ博士の事件簿』、『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』『折れた竜骨』。
「寄生虫は飲めばいいのか食えばいいのか。」椎名誠《復活!椎名誠のニュートラル・コーナー23》
『怨讐星域』17「アダムス小屋」梶尾真治
「MAGAZINE REVIEW」〈F&SF〉誌《2010.5/6〜2010.7/8》橋本輝幸
「エコ中心主義に支配され」た世界で「無駄にエネルギーを使った者」は「きびしい裁定を受ける」というショーン・マクマラン「判決」(The Precedent)がバカバカしそうで読みたいな。
「乱視読者の小説千一夜(2)ボーモントと黒人問題」若島正
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『SFマガジン』2011年2月号
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