『S-Fマガジン』1962年06月号No.30【特集 地球は狙われている!】

 この号は今でもほかで読める作品(読んだことのある作品)が多かったです。

「21世紀の夢」(ティーチング・マシン)出口泰生
 

「正義の名のもとに」アイザック・アシモフ/稲葉由紀訳("In a Good Cause--",Isaac Asimov
 ――動機ただしければ過つことなし――それがかれの信念だった!(キャプションより)
 

「反対進化」エドモンド・ハミルトン/神谷芙佐訳(Devolution,Edmond Hamilton)
 ――大密林にわけ入った科学者たちは、そこに万物の霊長とうぬぼれる人間の自信を無惨に打ち砕くものを見た!(キャプションより)
 

「呪縛の村」A・E・ヴァン・ヴォグト/川村哲郎訳(The Enchanted Village,A. E. van Vogt)★★★☆☆
 ――やがて地球人は大宇宙に進出する。だが彼らを待っている惑星が常識で理解できる世界だとは限らない。例えば……(キャプションより)

 火星に墜落した宇宙船のただ一人の生き残りが、火星の都市遺跡らしき場所にたどり着くが、そこは地球人が生きるためにはほとんど何の役にも立たなかったという話。人が変わったのか村が変わったのか、一瞬オチがわからなかったので読み返してみると、地の文にしっかり「地球人」と書かれてあるので、どうやら人が変わったというオチであるらしい。
 

「雷獣ヴァヴェリ」フレドリック・ブラウン星新一(The Waveries,Fredric Brown)
 ――奇妙な侵略者たちが開始した奇妙な侵略は、人間の世界に何をもたらしたか? 才人ブラウン独特の奇抜な異色篇!(袖キャプションより)
 

「夜が消える」ヘンリイ・ノートン/谷六郎訳(The Man in the Moon,Henry Norton
 ――いま宙天に輝く美しの月魄《つきしろ》が、もし第二の太陽となって地表に照りつけたら? 昔懐かしいSFクラシック!(キャプションより)

 30年代の作品だそうです。天文台に働きに来た小柄な禿男が、怪しげな装置を作り始める、クラシックというだけあって実際古くさい作品です。
 

「では次の問題」光瀬龍/「楽しみ」アイザック・アシモフ/城戸尚子訳(The Fun They Had)

 ティーチング・マシンについての二篇。
 

「大気を裂いて」《宇宙行かば》マレイ・ラインスター高橋泰邦訳(Men Into Space,Murray Leinster)★★★★☆
 ――宇宙小説の第一人者ラインスターが、マーキュリー計画から詳細なデータをとって人類初の弾道飛行を描いたこの小説を、ガガーリン、チトフ、あるいはグレンなどの体験と比較して読むと、興味深いはず。現実と現代との関係がここにある。(キャプションより)

 前号に引き続いて《宇宙行かば》シリーズより。今となってはSFというより、人類初の冒険に挑む男のドラマとして読むほかありませんが、こみ上げる思いは今読んでもびんびんに伝わって来ます。
 

「スペース・ファンサイクロペディア(10)I・C・O・M」草下英明
 

「サイエンス・ノンフィクション(7)月人説を斬る」斎藤守弘
 

「迷子(2)」石森章太郎
 

「さいえんす・とぴっくす」
 

「レオノーラ」平井和正
 ――極度の人間恐怖症にさいなまれる男の精神を救ったのは、精巧なアンドロイドの作られた愛情だった!(キャプションより)

 前号の光瀬龍に続いて、平井和正が「ファン・ライター」として登場。
 

ソ連SF作家未来を語る」グレーウィッチ/サフチェンコ/エフレーモフ/ドニェプロフ
 

「宇宙時代の人間生活 21世紀世界博覧会」
 

「月は地獄だ!(2)」ジョン・W・キャンベル・ジュニア/矢野徹(The Monn is Hell!,John W. Campbell Jr.,1950)★★★★☆
 ――七月二十一日、ムーアが灰色の粉末をつくりだした。爆薬だそうだ。七月三十日、また電気が消えた。ライスの言うところでは、このつぎの夜には、もう電灯はつかないだろうということだ。電池はすごく弱っている。八月三日、食料がまた泥棒にやられた。

 すごいな、どんどん何でもできてきます。今回は、酸素を蓄えて作業場を確保したり、蒸気機関のほか、蛋白質や炭水化物まで作り出してしまいました。
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 SFマガジン 1962年6月号 『SFマガジン』1962年6月号


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