『東大の教室で『赤毛のアン』を読む』もそうでしたが、対象年齢が低すぎるのでは。『東大アン』の方は、語り口はともかく内容はしっかりしたものでしたが、本書の方は内容も踏み込んだものではなく、「円了『妖怪学講義』復活」という話題先行の感も。
「水子が祟るなどという発想は(中略)昭和のなかごろまで」なく、「水子供養がはやり出したのは一九七〇年以降とされています」という指摘、贅沢を禁止した徳川吉宗が紀州出身だったから、贅沢品扱いされたウナギと紀州名産の梅(干し)は食い合わせが悪いと言われるようになったという説のほか、累伝説やや道成寺縁起のあらすじが掲載されているのが便利といえば便利。
----------