『ソモフの妖怪物語』田辺佐保子訳(群像社)★★★☆☆

 ロシアの妖怪伝説をもとにした民話風作品。

 水死して妖怪「ルサールカ」になった娘を母が取り返そうとするが、娘はすでにこの世のものではなくなっていた――娘たちの疾駆する百鬼夜行が印象的な「ルサールカ」

 妻が夜な夜な家を抜け出し魔女のサバトに参加しているのを目撃してしまった夫の悲恋キエフの魔女たち」

 養父である金持ちの老人が妖術で狼に変身しているのを目撃した間抜け者の養子が、真似をして狼に変身するものの、間抜けなので思ったようにはいかず――ナイフを三度飛び越える変身方法や、しっかり者の娘さんなど、本書のなかでももっとも民話風の味がある、ユーモラスな人狼《オーボロチェニ》 昔話」

 その他「クパーロの夜」「鬼火」「キキモラ」「寡婦の息子ニキータの話」「骨砕きの大熊と商人の息子イワンの話」など、全8話が収録されています。
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