『HUNTER×HUNTER』『幽遊白書』冨樫義博、『キン肉マン』(38)ゆでたまご(集英社ジャンプ・コミックス)

 初冨樫。まずは『ハンター×ハンター』から。1〜7巻まで読みました。え?と思うほど絵が下手でした。動きのある絵が描けない人のようです。だから格闘シーンがことごとくつまらない漫画でした。キャラクタライゼーションも不得手な模様。『幽遊白書』のおまけページを見たかぎりでは、写実的で古いタイプの絵は上手いけれど漫画が上手くない印象。主人公の目が虚ろで怖い。脳みそはともかく心もなくて、ドラゴンボールやワンピースの方がまだしも人間味があります。主人公の強さに理由がないのでストーリー的にも盛り上がりません。

 『幽遊白書』の方も上記の欠点が当てはまりますが、こちらには瞬発的に、絵になる絵が出てくるのでそこだけは読んでいて楽しい。第7巻の頭突きで相打ちのシーンや、第9巻の飛影が炎殺剣を出すシーンや、第11巻の飛影と武威の最初の手合わせや、後半の巻は、あそこだけ切り取って作品にできるくらいの出来栄えです。第15巻くらいから作者の頭がおかしくなってくる。絵に凝りだして、ギャグがほとんど投げ遣りで、強さに対してとってつけの説明をして。けれど絵だけは見違えました。第18巻からは神がかっています。もともとバトルがつまらない漫画だったので、内容的には投げ遣り具合が却って好結果に。最後の数巻のテンションでずっと描いていて欲しかったな。もはや最初の設定がどうでもいいという点では連載ものらしいと言えます。
 

 『キン肉マン』第38巻は、web連載されているものの単行本化。正編の続編です。王位争奪戦の後という設定。正義・悪魔・完璧超人間で同盟が結ばれようとしたところ、宇宙の彼方から真の完璧超人たちが戦いを挑みに来る。二十年ぶりなのにノリがまったく変わってない。というより、王位争奪戦以前の面白かったころのノリが戻ってきていました。敵の超人キャラデザインはやっぱりイマイチだし、なぜかテリーマンだけが大幅に顔が変わりすぎだし、といった点はあるけれど。ハラボテと一緒にいるノックというのは、ミートとノック(野球)と、横山ノック(髪型)を掛けているのかな。

   


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